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【コラム】漫画執筆5年目に思う、漫画やイラストを描くためのモチベーションを維持する方法

(公開: 2019年12月19日)
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こんにちは。モソです。

12月17日で、社会人になり漫画を描いてみようと思い立ち、ちょうど5年目に突入しました。日が開くこともありますが、ずっと漫画を描き続けることができています。

多少は技量もあがったのではないかと喜びつつ、もっと技量をあげようと奮闘中です。画像は5年前(左)と最近の作品です。

さて、漫画教室の中で「どうやって執筆のモチベーションを保っているか?」という質問がありました。

とっさに回答できなかったので、コラムとしてまとめてみることにしました。

モチベーションが保てず、漫画やイラストを描き続けられないという方は多いようですので、私がずっと描き続けている理由を、自分なりに分析してみました。

【モチベーション維持、という概念がない人】

とっさの質問に困ってしまったのですが、しばらく時間をかけて考えてみると、私には「モチベーションを維持する」という概念そのものが希薄なようです。

もちろん日によって多少の変動はあります。

疲れている

仕事(本業)が忙しい

酒飲みたい(そして翌日、サケヤメタ・・・)などなど。

今日は漫画描くのやめとこう、ゴロゴロしたいって日は私にもあるのですよ。

一方、早起きした日は、本業をはじめる前に描いておこうとか、休肝日は寝るまで描いておこうとかですね。そもそも、休肝日が少ないのですが(汗)

「努力を努力だと思っていない人が成功する」という話が話題に上がっていますが、私は努力、忍耐、鍛錬、整理整頓という言葉が苦手です。そういう意味でも、周囲からは努力しているように見えるだけで、これが努力だと思っているわけでもないです。

目的があって、好きで描いている。ただこれだけの話です。

【世の中、金だよ。金】

私が漫画を描く原動力の根底にあるもの。

それはお金です。

世の中、金持ってるやつが強いです。

貧乏人に生まれてきて、悔しい思いをすること多々あります。

私は自営業者(漫画家やイラストレーターも自営業者が多い)ですが、安定している事業者の多くが、株やら不動産収入やら第2の所得を得る資産を得ていたりします。

資産があれば、融資を受けたいときに担保として使えますから、事業を拡大することもしやすいです。投資してさらに利益を上げるってこともできます。

財産=金持ってるとこは強いんです。はー、ウラヤマ

私の本業の刺繍屋は、そんな儲かる仕事ではありません。残念ながら。

1枚縫っていくら。ミシンが何時間稼働していくらという、上限が決まっている製造業です。市場価値も概ね決まってますし、機械力や人員が多いところ(=資産がある)や、工賃の低い海外には価格で勝てませんし・・・。

本業もよろしく! http://sacomworks.com/

そんな中、資産もない私がどうやって一発逆転を狙うか。

それが、著作物の印税などの権利収入を得ることと考えたのです。

時間と労力と画材、パソコン、ペンタブなどの投資で、莫大な資産を構築する可能性が生まれます。

時間や労力に対して、収入がゼロに等しい結果に終わるかもしれませんし、万にも億にも化けるかもしれません。現代において顕著なのはyoutuberなどがそうですね。

博打みたいに聞こえるかもしれませんが、コストで言えば労力が一番高く、やろうと思えばほぼ労力だけで完結できます。

当たり前の話ですが、やらなければ、できません。

買いもしないで宝くじが当たらないのと同じです。

本業の合間に行って、もし成果が出れば漫画を本業にしてしまえばよいだけです。あとで詳しく描きますが、要は時間の使い方なんです。

また、「どうやれば著作物を金に換えられるか?」と考えたとき、キャラクターグッズなどに波及ができる漫画がよさそうだ、という事で漫画を描いているわけです。

文章と図解、写真で構成する本なら、雑誌ライターの経験があるのでいつでもできますし(優先事項ではない)。

もちろん、刺繍で作ったワッペンのキャラを漫画にして動かしたいという、純粋な気持ちも少しありましたけどね。

【原作者と漫画家をつなぐ接着剤=金】

刺繍のキャラクターを漫画にしようと考えたのは、ちょうど5年前。

友人のチャックマンに頼み、全く進まないから「じゃあ自分で描いてみるわ!」となって今に至ります。自分で描いたほうが速いです。

世の中、金ですよ。金。

チャックマンとのコラボで上手くいかなかったのは、お金が介在しなかったためにモチベーションが保てなかったのも、一つの原因でしょう。

出版社のいわゆる「商業」の世界では、小説(ライトノベル)などを原作としたコラボ、コミカライズがさかんに行われています。

この場合、小説で何万部も売っているという実績があること。そこに投資してさらに利益を上げたいという出版社の思惑。漫画家としてのスキルはあるものの、原作作りに悩む人がマッチングして、はじめて原作と作画のコラボが成り立っています。

魅力的と思わせる原作と、描きたい漫画家をつなぐ協力な接着剤。

これが稿料や印税などのお金なんです。

もし無償で原作者と漫画家のマッチングがありえるとすれば、「稼ぐ」という概念に乏しい学生とか、「描いてみたい」「コラボしたい」と言わしめる作品が既に出来上がっているかだと私は思います。

たとえば、二次創作の同人誌などで複数の作家がコラボすることもありますが、作品が魅力的で好きであるという大前提と、場合によっては、描くことで営業活動につながるという営業的側面もあります。

他のパターンもあるかもですが、かなり稀なケースでしょう。

「俺が話考えようか?」という酔っ払いのオッサンはかなりいます(笑)

1話あたり50万くらい積んでくれるなら、酔っ払いのおっさんが考えた話でも、一生懸命描きます!という漫画家さんはいっぱいいそうですけど、タダでやれというのはありえないでしょう。

また、この場合は小説でもプロットでも、ネームでもなんでもいいので形にしておくこと。口だけではダメですよね。

【24時間をどう使う?】

精神論みたくなるのですが、突き詰めていくと「いますぐに描きたいか」という事。これに尽きます。

描きたいけど、重い腰が上がらない

描きたいけど、アニメやゲームを優先してしまう

描きたいけど、忙しい

優先事項が描くこと以外にあるから、前に進まないわけです。

私の場合だと、漫画を描くのに漫画をあまり読みません。アニメを作るといいながらも、最低限しかアニメを見ません。

これだから上手くいかない、というマイナス要因もあるのですが、勉強と称して手を動かさなくなってしまっては本末転倒ですし。

(これは、後ほど紹介する「プロと比較するな」にも関わる話です)

この10年ほど、ゲームは全くやっていません。やりたいゲームはありますが、おそろしく時間を消費することがわかってるので、あえて手出ししません。

youtubeも音だけ聞いてるとか、面白そうなシーンにカーソルを合わせて見ることが多いです。

そして、眠くなったら寝ます。 私の場合は睡眠不足だとモチベーションが極端に下がることがわかっているので、たっぷり8時間は寝ます。

しっかし寝て、しっかり仕事をして、しっかり描く。ショートスリーパーの人がうらやましい。

人間は、等しく24時間が与えられています。

一方、24時間の使い方は人それぞれです。

漫画を読む、アニメを見る、ゲームを楽しむ。

漫画やイラストを描く。すべて時間を消費します。

「今すぐ描きたいネタ」があると、アニメを見たりゲームをしたりする時間なんてなくなってしまいますよ。

【今すぐ描きたい=語りたいほど好き】

では「今すぐ描きたいネタ」をどうやって作るか。

私の場合、今すぐ描きたいネタは「釣り」についてです。

釣りの話はいくらでも語れますし、おそらく普通の釣り人が考えていないことや、経験していないことを、自分の意見を持って話すことができます。私が釣り人として、他の釣り人には絶対負けないと思っている分野です。

それを漫画にして、女の子たちに体験させて、読者に疑似体験してもらいたい。

お金に代わるかもしれないという期待と、今すぐ描きたい気持ちの二つのエネルギーにより、常にモチベーションが維持されているわけです。

なお、ネタを作るために新たに取材をしなくてはならない場合があります。

釣りに関しては、アニメやゲーム以上に時間を消費します。いつも釣れるとは限りませんから。

たとえば、私はラッキーキャッツルアーフィッシングで、大型ロウニンアジや、沖縄にも生息するボーンフィッシュ(ソトイワシ)の話を描きたいと思っています。

釣ってもいないのに描けるわけがないので、ちゃんと狙って釣りました。

やらかしてしまう管理人

普通の人にはこれは難しいことかもしれませんが、「今すぐ描きたい」と思えるならば、たとえば好きなアニメやゲームのキャラのイラストを描くとか、ちょっとした二次創作漫画を描いてみるなどでも良いと思います。

原作と作画のコラボにも言えることですが、描きたい対象を好きになれるかが重要なのかもしれません。

【プロと比較せず、自らの成長を喜ぼう】

モチベーションダウンの一つの原因に「上手く描けない」「絵が下手すぎる」というネガティブ思考があります。

自分でそう思う場合もあるでしょうし、人から指摘されてへこんでしまう事もあるでしょう。

最もよくないのは、プロでもないのに、プロと比較して絶望することです。

あなたはプロですか?

「君の絵は下手だね」と指摘してきた人もプロですか?

最近描き始めた程度のアマチュアの人が、はじめからプロ並みの絵を描けるわけがないでしょう・・・。

プロの人だって、途方もない時間を費やして絵や物語を磨いて、認められてプロになったわけですから。そんなの、誰だってわかる事じゃないですか。

この現象は、特に漫画を読んだり、イラストを見ることが好きすぎる人が陥りやすいです。

比較対象すべきは、自分自身です!

前回の絵と比べて今回は上手く描けたか?

苦手な構図にチャレンジして、上手く描けたところやそうではないところはどこか。それを改良できたか。

上手くいったところがあれば、そこを褒める。

そして次の作品に挑めばいいのですよ。

私が漫画教室で最初に教える5つの大原則は

「描くこと」

「見せること」

「客観性を持たせること」

「改良できること」

「完成させること」

です。これを繰り返すことで、クオリティーは少なからず上がります。

一朝一夕ではどうにもならないので、工夫しながら地道にやっていきましょう。

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