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【コラム】起業として考える漫画執筆

(公開: 2018年02月08日)
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こんにちは、しまこみ編集部のモソです。

今日はふと感じたことをコラムとしてお届けいたします。

 

 

しまこみでは現在「ラッキーキャッツルアーフィッシングスクール」1と2を出版するために原稿の大詰め作業を行っています。

流通のためのISBNコード/書籍JANも取得し、流通にかかるバーコードの発注も終わりました。

バーコードはフリーソフトで出力できるそうですが、あえて専門業者にお願いしています。

これは流通にかかることであり、書店や取次店が苦労しないように必要な情報なので、お金をかけてでもしっかりしたものを使いたいと考えたためです。

 

 

漫画と画力の問題と

さて、漫画家というと絵が上手いのは当たり前という風潮があります。

上手いに越したことは言うまでもありませんけどね(汗)

 

しかしながら実際は「俺でも描けそう」という絵でも成り立っている人気作品もありますし、すごく精密で綺麗なイラストを描くのに「漫画は描けない」という絵師さんも結構います。

漫画を描くためには物語りやネタ、世界観を作ることが必要なので、絵が描ける=すなわち漫画が描ける、という事ではないのです。

 

 

入り口としての二次創作と課題

比較的漫画執筆に入りやすいところでは、既存作品の二次創作があります。

物語や世界観、キャラクターが既にできあがっているので、それをアレンジして創作します。

人気のある作品をベースにすることが大半ですので、マーケティングもバッチリです。

ただ、グレーだとは言うけれども、著作権侵害で訴えられれば作家側は圧倒的に不利となります。

版権元はファン獲得のためにあえてスルーしているという事情はありますが、過剰に利益を上げるとある日突然著作権侵害で・・・となります。

この業界では「頒布」という言葉を使いますが、利益を上げていませんよというアピールともいえます。

 

ちなみに二次創作OKと明示されている作品では、法的に問題ありません。

これからも二次創作OKの作品は増えるでしょう。

 

ただ、二次創作だけに傾倒していると弊害も発生してしまいます。

オリジナル作品を作りにくくなってしまうのです。

 

オリジナル作品を作るためには色々な情報を得て分析し、世界観やキャラを組み立てる必要があるためです。

この作業は簡単なようで、必要な情報を集めるだけでも、実に長い時間を必要とします。

生活の中でもヒントがあったりしますので、面白いネタがあったらどんどん集めておきましょう。

画像は私が漫画を描き始めたごく初期の頃のものです。実話を脚色しています。

 

 

 

ぶっちゃけ言うと最短ルートはエロ漫画を描くこと

キャラクターの絵を上手くなりたいなら、エロ系はお勧めです。

人体の構造がわからないと描けないので、画力を上げるならエロ系は最適だと思います。

また、ストーリーもシンプルであり、目的(笑)も明確です。

生物学的には人間には「食欲」「性欲」「睡眠欲」という三大欲求がありますので、需要が確実にあるのです。

 

近年全国誌デビューする漫画家さんの多くがエロ同人出身という傾向もありますので、本気で漫画家を目指す方は恥ずかしがらずにチャレンジしたほうがいいと思います。

実際にしまこみに相談があった方で、現在エロ作品を描き、WEB上にて独自にファンを獲得されている作家さんもいます。一気に画力もあがっているので効果的と言えます。

 

私は妻子いる身ですので、さすがにエロはちょっと・・・という感じではありますが(ホントかよ)、水着などを積極的に描くようにしています。前よりは人体を描きやすくなりましたので、効果的と思います。

 

 

なお、三大欲求の観点から言うとグルメは外せません。

現在も多様なグルメ漫画が出版されているのは、三大欲求という市場にマッチしているからだと考えられます。

 

 

漫画執筆という”起業”

漫画は描くだけなら誰にでも楽しめます。

ただ、それを売るとなるとさまざまな要素や分析が必要になってきます。

 

画力は高いに越したことはありませんが、先述したとおり絵だけでは漫画は構成できません。

漫画を描いて売るということを、事業または起業に置き換えて考えることができます。

新しい作品を生み出す作業ですので、起業精神が必要だと思うのです。

 

私は昨年、起業シミュレーションのイベントに参加しましたが、チーム編成においては

 

・ハッカー(物を作る人、システムを構築する人。コンピュータ業界の人に限らない)

・ハスラー(計測分析する人、資金などの実務を行う人)

・デザイナー(文字どおりデザインをする人)

 

の3つで構成できるそうです。

どれかが欠けても成り立たたないというか、かなり厳しい。

起業シミュレーションイベントの最終プレゼンでは、とあるチームが開発したシステムに対し「似たシステムは他社でも作れるが、デザインはどうするのか?」と鋭い突っ込みが入っていました。エンジニアのチームで技術が高いハッカーとハスラーはいたのですが、デザイナーがいなかったために問答に苦戦している感じでした。

 

漫画家はハッカーでもある

漫画家はどれに当たるのかというと、普通はデザイナーと考えるかもしれません。

しかしながら、ハッカーの要素も必要となります。

無の状態から物語を作り出さないといけないからです。

すばやく綺麗な絵を描ける絵師さんでも漫画が描けないというのは、ハッカーの要素を除外してデザイナーに特化しているからだと考えられます。

 

原作と作画を分けるケースもありますが、この場合は資金があってこそ成り立つもので、一般的な創作のなかでは意見が対立したりして成り立ちにくい傾向があります。世の中、お金です(汗)

 

 

編集部というハスラー

漫画の出版においては、えらそうに漫画家に指示を出す「編集(部)」がいます。

彼らはハスラーに特化している役割と言えます。

売れている作品傾向などのマーケティング、校正、漫画家への原稿料や旅費交通費の支給、広告宣伝など実務的な部分を行っています。もちろん宣伝や装丁などのデザイナー要素もありますが、それは業務の一部にしかすぎません。

 

漫画家を目指す人にとっては編集部は一種の壁でもあり、ややこしい存在に思えるかもしれませんが、新しい作品を生み出す起業として考えるなら、ハスラーの役割を果たす編集部は、かなり重要な役割と言えます。

近年は作家自身がセルフプロデュースする時代になっていますので、編集部は何をやっているんだ?!と言われがちですが、人気がある漫画家さんの宣伝効果というのは強烈でもありますし、ハスラーの要素をかねることで作品に生かすことも可能です。

 

仮にハッカー、ハスラー不在で漫画を描くとするならば、既に市場ができており、作られた世界観の中でシンプルな物語を描きやすい二次創作。または三大欲求を刺激するエロ漫画という具合に絞られてくるかと思います。

 

その頃、しまこみ編集部は・・・

しまこみ編集部はサイト「しまこみ」の管理、記事やコラムの執筆をしつつ、ラッキーキャッツの原稿を仕上げる。本業も行いながら・・・という状況です。

一人でハッカーもハスラーも、デザイナーもこなさなくてはなりません。

かなり欲張りですが、考えると恐ろしいですね・・・どうにかしてチームを編成したいもんです。

 

沖縄で漫画描いて売りたいという方がいらっしゃれば、相談に乗ります。

作品のPRのみでもOKですので、気軽にお問い合わせください。

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