【漫画】修正作業で大苦戦の巻
こんにちはモソです。
クラウドファンディングが成立した「ラッキーキャッツルアーフィッシングスクール」の原稿の仕上げと修正作業を行っていますよ。
思った以上に苦戦しているのが、第1巻の原稿の修正作業です。
修正例を上げてみます。
PCやタブレットで見ている方は、できればスマートフォンでも見ていただきたいです。
【修正前】
【修正後】
【耳の修正】
わかりやすい所では「耳」が変わっています。
全部モフモフ耳毛に書き換えました。
「鼻毛ボー」の歌の影響でなんとなく抵抗があったんですよね耳毛・・・
しかしモフモフは可愛いということで全部直すことに。
これは意外と簡単な作業です。
しかし一筋縄でいかなかったのは次の修正作業でした・・・
【セリフの調整】
これが非常に難しい。
ラッキーキャッツルアーフィッシングスクールに関しては、元々ハウツー本として製作したことや、解説要素が多いので文字情報が多く入っています。
漫画に関しては一般的に「文字で読ませるのではなく、絵で表現する=文字数が少ないほうが良」とされていますが、私にはそんな技術はないし(笑)、情景だけで読みなさいという作品は苦手なタイプなので、セリフを含む文字情報がかなり多くなっています。
ライター出身の影響なのか、セリフのつながりがないと、どうしてもストレスに感じてしまうのです。
「基本的に電子書籍で読んでいただく」という方針でしたが、漫画を執筆しているうちに「実際に自分で読んでみてどう見えるか」というのを考えるようになりました。
1巻についてはそういう事を考えずに描いた(そして所属していた編集部の編集を通過した)ので、スマホで見たときに非常に見づらいのです。特に小さなセリフが。
セリフに関しては、印刷版やタブレットで見たときにやや大きく感じるかもしれませんが、スマホでも読みやすいよう12ポイント(A5原稿)以上を用いるように修正しました。(セリフのみですが・・・)
以前はセリフによっては8~9ポイントと小さな字があったり、11ポイントでギュウギュウ詰めのセリフがあったので、フキダシの大きさを調整したり、コマに収めるためにセリフを削ったり言い回しを代えたり・・・
手も頭も使う大作業に発展したというわけです。
おかげで長すぎるセリフをコンパクトにすることができましたが、チェックも増えてしまいかなりの労力がかかってしまいました。最初でそういう事がわかっていればよかったのですが。
【電子書籍と端末】
たとえば電子書籍といえど端末はさまざまです。
電子書籍専用端末も販売されていますが、スマホに無料アプリを入れれば電子書籍端末になりますから、専用端末を購入する人は少ないのではないかと思います。
「しまこみ」のアクセスを分析すると、サイトを見ている人の内訳は5割以上がスマホ、残りがPCとタブレットで、PCが優勢という感じです。
スマホは機種によって違いますが、400ピクセル以下の画面がほとんどです。また、基本的に携帯電話ですのでポケットに収まるサイズでできています。つまり画面が小さいので、スマホでもストレスなく読みやすい原稿というのは大事じゃないかなと思います。
comicoなどはスマホ特化型の原稿(コマ割り)となっていますね。
漫画好きの人は漫画を読むために画面が大きく高解像度のタブレットや電子書籍端末を購入しますが、ほとんどの人が所有してるスマホで読むという市場を捨てるのはもったいないことです。
高解像度を目指して原稿を書くのは漫画家のこだわりとして良いかもしれませんが、5割強が利用するスマホ市場を捨てるのはもったいない気がします。
【データ容量という問題】
また、電子書籍に関してはコピーできないよう内部ストレージに保存されることが多いようです。
端末の性能が進歩しているとはいえ、高い解像度は内部ストレージを圧迫します。
電子書籍だけではなく音楽やアプリなども入りますので、電子書籍を優先すると考えるのも無理があります。
皆が高性能な最新端末を使っているわけでもありません。
いずれにせよ軽いデータのほうがいいということです。
【漫画原稿の常識が変わりつつある?!】
漫画の描き方の本や解説がありますが、デジタル時代の昨今、昔ながらの漫画の常識だけでは執筆できないなと感じます。
たとえばコマを用紙いっぱいまで使う「断ち切り」いっぱいまで描く画法は迫力が出るとされていますが、スマホでは周囲の空白部分がもったいなく感じます。基本枠の中に収まるように描いて、電子書籍では基本枠内を画面いっぱい使うほうがストレスなく読めると思います。
(緑の部分が断ち切りいっぱいまで描いた部分、赤線が基本枠です)
電子書籍によってはコマを拡大して読む画期的な技術がありますが、虫眼鏡で見ているようなもので、果たして実用的なのかというと正直疑問があります。
スマホでもストレスなく読めて、印刷しても違和感のない原稿の作り方が必要になる気がします。
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