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【コラム】監督降板劇に見る「けもフレ」の演出

(公開: 2017年09月27日)
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こんにちはモソです。

本日は雑感をまとめたものですが、話題にあがっている社会現象にもなった「けものフレンズ2期」と「たつき監督降板」の件で気づいたことを見ようと思います。

サーバルちゃん描いてみました(笑)

 

 

そもそも、けもフレとは

けものフレンズといえば、ケロロ軍曹でおなじみの吉崎観音(よしざき みね)先生がコンセプトデザインを行ったキャラクターとアプリゲームからはじまり、アニメ化された作品ですね。沖縄では放映していないのが残念ですが、こちらでもかなりの人気があります。沖縄のお土産品でご当地フレンズも登場しました。

作品については沖縄では放送されていないので多くを語ることはできませんが、キャラクターも可愛いく、ちょこっとかじった程度の私でも大好きになってしまう作品です。

 

けものフレンズ 公式サイト

http://kemono-friends.jp/

 

今回私がとても興味深く見ているのは、社会現象としてのけもフレの存在です。

あと特筆しておきたいのは「二次創作可ということを明示している」数少ない作品でもあります。今後はこのような作品が増えるのではないかなと思いますよ。

 

最初は叩かれていたはず・・・

けもフレはゲームアプリとアニメの計画が平行して行われ、アニメ化が実現するときにはゲームの配信が終了してしまったうえ、原画とアニメの作画(3DCG)に差がありすぎると叩かれていたものですが、アニメが始まると一気に人気に火が付きます。

ゆるさが目立つようでもありますが、「生き物」「自然」を題材にした骨太な作品でもあると思うのです。

 

テーマ曲の「ようこそジャパリパークへ」も名曲。

「ケモノはいてものけものはいない」のフレーズはすばらしいですね(沖縄ちほーはのけものですが・・・)

作画もかなりの低コストで製作されたと見てとれますが、そのような逆境のなかで社会現象化したのは、たつき監督の力が大きいとされています。作品のファンであり、監督のファンでもあるという方はとても多いのではないでしょうか。

 

たつき監督降板

社会現象を巻き起こした「けものフレンズ」。

アニメ二期の製作も決定したところ、ファンに衝撃が走りました。

たつき監督の降板です。

 

 

この件も配信を行うKADOKAWAの意向が強いとされていますが、ファンの間ではたつき監督降板を残念がる声や、KADOKAWAに対する批判が多く見られています。

製作の段階では作画等あれこれ言われる中、逆境で作った作品がこれだけ人気になったわけですから、たつき監督降板の声は当然と思います。

 

しかしながら、私はこうも考えました。

もし新しい監督がもっと面白く魅力的な作品ができたら、どのような現象が起きるのでしょう・・・?

 

 

けもフレという生態系

私は現在、ローカルで釣り漫画ラッキーキャッツルアーフィッシングスクールを執筆中で、沖縄都市河川の外来種の話を描いています。沖縄の釣りといえば海ですがあえて川を描いているのは、生態系やその変化、問題点が見やすく釣り人には魚の釣り方や楽しさとともに、生態系のうえで釣りが成り立っていることを知ってほしいからでした。

そんな中で「たつき監督降板」を見ることになって気づいたことがあります。

 

ジャパリパークで生活していたケモノたち・・・作品中に登場するフレンズ。そしてファン。

それをひっくるめて生態系です。

見事なまでの生態系ができあがっているのですよ。

 

その生態系を維持するキーストーンがたつき監督です。

今回の降板により大きな環境変化が起きる。

 

環境変化を恐れるのは、そこに生活する生き物にとっては当たり前のことです。

 

 

ファンは「ケモノ」目線で体感する

 

「たつき監督を復帰させるため署名活動をする」「嘆願書を送る」なんて話もあります。

 

なんだか自然林へのリゾート開発計画などに反対する人達に似ていますね。

できあがった生態系をKADOKAWAが崩す。

ぶっちゃけ言うとファンが固まろうが、抗おうとしても抗えない存在ですし。

 

そこで私が感じたのは、ファンが「ケモノ目線」で物事を体感しているのではないかということなのです。

ファンというケモノが、絶対的な力を持った人間(KADOKAWA)の手による”環境変化”を体感している

 

そういう演出ではないかと見えたのです。

つらい部分はありますが、これも演出の一つとして、よくできていると思ったのは私だけでしょうか。

 

 

生物は進化し、多様化する

それでも第二期は進みますし、フレンズたち(中の人)も一生懸命です。

フレンズたちも、たつき監督降板という大きな環境変化に対して上手く対応するのではないかと思いますし、ファンの人達も意外とちゃっかり環境変化に乗っていくのではないかなとも思います。

 

 

第一期原理主義となる人もいれば、これはこれで面白いと感じる人もいる。

はたまた、たつき監督降板事件はなかったような新たな社会現象が生まれるかもしれない。

未来のことはわかりませんが、KADOKAWAに対する風当たりも、風向きが変わるようにコロっとなかったような空気感になるかもしれませんし。

 

本件は生物の進化や多様性を見ているような気がしてなりません。

 

 

このくらい人を引き込める作品描けたらいいなぁ・・・そんな事を思ったり。

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