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【初心者応援】漫画のセリフを考察する

(公開: 2017年09月15日)
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こんにちは。モソです。

10月にデジタルイラストの講師を行うことになりまして、メディバンペイントを覚えているところです。

無料で本格的イラストアプリがダウンロードできるとかすごい時代ですよね。

その中で思ったことですが、このアプリなかなか使える。

漫画描く人はアナログ派の人も使ったほうがいいかも。

 

 

 

「ネーム執筆」はデジタルが有効

漫画執筆に関してアナログ派の方も多数いるかと思いますが、今から漫画を描くならアナログよりデジタルが良いと個人的には思っています。理由としては便利だから。ただこれに尽きます。

 

弱点としては感覚をつかむまでに時間を要する、覚えることがたくさんという事がありますが、機能を絞ったうえで練習すれば弱点を補えるだけの便利さがあると思うのです。

あと、原画がないので味がない、やはりアナログで味のある絵が描きたいという希望もあろうかと思いますが、どのみち印刷工程でデジタル化されるので、将来的に原画展をやりたいなど強い希望があるか、よほどアナログで慣れている人でない限り、アナログにこだわるメリットは正直あまりないと思います。

漫画を描きたいのか、プロの漫画家さんの真似事をしたいのか。自分に合った道具や書き方を今一度考えてみましょう。

 

さて、デジタル作画にあたり特に便利だと思うのはネームの執筆です。

アナログ派の人もネーム段階はデジタルで描いたほうがいいと思うほどです。理由としては

・コマの配置やフキダシの配置がワンタッチ
・文字(フォント)を入れることができる
・あとで配置を変えられる

ということがあります。

 

 

漫画家志望には2タイプいる

 

 

ごく一般の人(読者になりえる人)おおまかに分けて「物語を重視する人」「絵を重視する人」がいます。

友人にアンケートを取ったことがありますが25:9で物語を重視する人が多かったです。しかしこれを漫画を描きたい人のみ対象にすると逆転。絵を重視する人が多くなります。

漫画を描きたいと思っている人で絵を重視するタイプは「描きたいけど物語が思いつかない」という問題にぶつかり、いつまでたっても漫画を描き進められなかったりします。このタイプの人はすでに物語や世界観ができあがっているアニメやゲームをベースにした”二次創作”で上手く行くことが多く、現在の漫画家デビューへの一つのルートとなっています。

 

私は完全に物語を重視するタイプで、よく考えてみたら絵がわりと雑(失礼)と思う漫画作品でも、あまり好きな画風ではないものでも、面白ければ何でも読みます。好物なのは勉強になる作品とか、フィクションでもよく話が練られている作品はすごく好きです。

絵を見てないしこれまで描いていないので、画力や漫画の表現が不十分という壁にぶつかっておりますが、これは考えながら描くことでどうにかなるだろうと楽観的に考えています。

将来的にプロの漫画家として活躍するには、絵も物語りもバランスさせて考えないといけません。

もちろん原作付きという形で絵に集中する方法もありますが、これはお金がかかっている場合の話。

バクマンのようにトントン拍子に上手くいけばいいですが、現実はそう甘くはなく、サークルとしてオリジナルの物語を描く場合は作画担当がキャラや物語に入り込めなかったりして、モチベーション維持が難しい。空中分解するケースがほとんどです。

だから漫画を描きたいという人は、物語作りにも力を入れたほうが良いと思います。

 

 

ネーム作成:デジタル作画が良い理由

さて、ネーム執筆の話に行きますが

・ネームは何度も見直す(セルフチェック)
・編集部や友人に見てもらい意見を取り入れる(赤ペン)

はネームの重要工程です。

100%万人受けする作品というのはプロでも無理ですが、自分だけが納得している”意味不明”な作品では見せられたものではありません。

漫画ではセリフではなく絵で情景を見せるのが基本ではありますが、画力が伴っていなければ情景を見せることはできませんし、セリフを抜きすぎて読者側が「この意味はどういうこと?」と考えないといけないような描写だと、読者にストレスを与えることになります。

絵から入るタイプは漫画の表現が云々という話に傾倒しがちですが、その作品を読もうとしている読者さんに意味が伝わっているのか。それが最低ラインですから、物語やセリフまわしは大事なのです。

 

物語やセリフは簡単に作れるものではありません。漫画原作を行うシナリオライターも、文章で漫画家へ伝え、面白い話にするために何度も見直ししています。時には情緒的に、時には心にひびくセリフまわしを何度も見直しして考えます。

物語と作画を一人で行う漫画家(志望)では、見直し作業に時間を裂くのは当然のことです。

何回でも何十回でも納得いくまで見直しします。

仕事をしながら、または学業をしながら漫画を描きたいなら、漫画読んだりゲームしてる時間なんてありません。

 

 

デジタルは手直しが楽

さて、ここまで書いたら概ねおわかりだと思いますが、ネームは見直し(修正)が前提ということなので修正が楽なデジタルに分があります。何度見直しても原稿が汚れることはありませんし、切り張りもできます。

・このコマは大きくしよう、そしてこの小さくしよう。
・このセリフは長すぎるからもっと短くしよう。
・フキダシが大きすぎるので小さくして、絵をもっと大きく取ろう。
・噴出しや配置を変えたらどう見えるか。

などなど修正を行っていきます。

 

巷では漫画文法とか視線誘導とか理論的なことが言われていますが、アマチュアには正直言って理解できない世界です(私も理解してません)。しかしながらデジタルでネーム作成を行い、何度も読み返す。読みにくいなと思ったら、吹きだしやキャラの位置をちょっと調整するだけで、読みやすさに差が出たり、時間を表現できたりするものなのです。どういう配置ならどう見えるのか、デジタルでのネーム作成なら理論どうのこうのじゃなくて、色々試して実感できるのです。簡単でしょ。

 

 

「セリフから描く」メリット

絵で情景を伝えるのが漫画ですが、私が思うにはある程度キャラ同士の会話のキャッチボールができていないと、読者サイドにストレスが溜まる作品になってしまうと思っています。特に物語を重視するタイプの読者にとってはそう感じるでしょう。

個人的な持論ではありますが、セリフのみで会話のキャッチボールができており、セリフのみで物語がある程度把握できるれば良いと思っています。ミステリアスにするためにあえてわかりにくくするのも手ですが、最初からわかりにくい作品はその後読まれることはないでしょう。少なくとも物語の始まりはインパクトがあり、かつわかりやすいことが重要ではないかと思います。

セリフを作りこんだら、キャラの表情や風景で情景を付けて盛り上げるという感じで製作しています。

セリフでなくとも絵で表現できるところは、絵に置き換えていけば良いのです。

 

 

汚い字は最悪

私はものすごく字が汚いので自覚がありますが、読めない字というのは本当にストレスが溜まるものです。

(私は自分で書いた字が読めないことも・・・)

アナログでネームを描いて編集部へ持ち込んだとします。読める字で描かれていれば全然OKです。

しかしながら汚い字でセリフが描かれたネームだとどうでしょう。どんなに面白い(と思っている)作品であろうが、見せられたほうは読む気がうせてしまいますよね・・・。私は人のことを言えないほど字が汚いですけど。

ネームの段階で画力を見せ付ける必要はないですが、キャラ同士のキャッチボールや物語の骨組みが読める情報は必要ですから、やはりデジタルでセリフから作りこんでおくほうが、絶対的に有効だと思うのです。

字が綺麗な方で何のストレスもなく読めますよという方でも、フキダシのボリュームを把握するために、デジタルでのネーム作画は有効なのです。

私ごときがこのような事を描いて申し訳ないのですが、変なとろで改行している作品も多くあります。正直ちょっと読みづらかったりするのですが、先にセリフから打って、キレの良いところで改行するだけで、読み手側としてはセリフがすっと入り込んできます。

なお、これはセリフ(フキダシ内)のことで、あえて手書きにするところは描ける範囲で綺麗に描けばOKですし、擬音などは迫力を出したり情景にマッチする形で崩しても構いません。

 

 

デジタル化(電子書籍)とセリフの関係

あと、ネームをデジタル作画で作るメリットとしては、今後のデジタル社会への対応もあります。

一般的に言われていることでもあり、当サイトしまこみのアクセス解析を行っていてもわかることなのですが、半分以上がスマートフォンでの閲覧です。スマートフォンの画素数は概ね幅400ピクセル以下で、小さな画面で読者さんは作品を読むことになります。

2割弱がタブレット(1000ピクセル~2500ピクセルの画素数)、残りがPC(概ね1000ピクセル前後)です。

 

小さい画面で見ることになるので、文字が小さすぎると読めません。文字数が多すぎてフォントが小さくなっているのもストレスになります。

拡大して読めばいいじゃないかという人もいますが、本当にそこまでして読みますか?有名作品やどうしても読みたいと思わせるような内容を描けるなら良いですけど、無名の漫画家の作品でストレスがかかる作品はよほどなことがない限り読んでくれません。世間はそんな甘くないです。

電子書籍サイトなどによってはコマごとに拡大して読む機能があったりもしますが、まるで虫眼鏡で読んでいるようで便利に見えて非常にわずらわしい機能です。comicoのように縦スクロールでスマホ閲覧に特化したサイトもありますが、デジタルでの閲覧のしやすさをよく考たシステムだと思います。

デジタルの場合A5原稿だと12ポイントが下限で、できればそれ以上。

印刷化を想定する場合はやはり12ポイント程度がもっともバランスが取れたものと思いますので、これ以下のサイズのフォントを使うのは控えたほうが良いかもしれません。

ルビ(ふりがな)はなんとなく読めれば脳が勝手に理解してくれるので、小さくても問題ないと思います。

上記はA5で12ポイントで作図したものですが、スマホで見てみたらどうでしょう。これ以上小さくなると厳しいなという感じしませんか?

漫画用のフォントはフリーフォントとしてダウンロードできるので、これを活用するだけでもより漫画らしくなりますし、完成したときのイメージがつかみやすいです。

 

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