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【漫画】漫画の設計図”ネーム”を描く

(公開: 2017年08月29日)
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こんばんはモソです。

今日は漫画の工程についてちょっとだけ紹介

ネームというやつですね。何だこの小学生の落書きみたいのは・・・(笑)

 

漫画の設計図「ネーム」を描く

多少漫画を描いている人ならご存知だと思いますが、いきなりペン入れをして、墨要れやトーン(影)を張ることは一般的な漫画ではないと思います。

普通は「ネーム」と呼ばれる下書きを描いてから作業に入ります。

ネームは「下書きの下書き」とか「漫画の設計図」と呼ばれます。

 

元エンジニア的な発想としては、設計図と言うからにはそれなりの設計書(計算書)が必要だと思います。

物語の構成に必要な資料あつめや勉強に時間を裂きましょう。それが漫画の設計書にあたります。

漫画は何かしらの物語で構成されているので、絵以外の知識・・・社会経験や物語にまつわる専門知識も必要となってきます。

絵が描ける漫画好きの人でも、いざ漫画を描こうとして物語で詰まってしまうならば、設計書にあたる部分が弱い場合があります。漫画やアニメ以外の得意分野も身に着けておきましょう。

 

 

ネーム工程=調整資料

小学生みたいな絵でめちゃくちゃですが、モソ個人としてはこれで十分だと思っています。

手直しや書き直しが前提の工程なので、あまり手が込んだ絵を描くメリットがないのです

ネーム工程では絵の上手い下手よりも、物語の内容や流れのつながり、おおまかな配置を決めることが重要だと思います。

 

ここで勘違いして画力を見せ付けようとする漫画家志望の方がいますが、物語のつながりやキャラ同士の会話ができていないようでは漫画として成立しません。ネームは調整資料なのです。

もちろん上手い人はこの段階で画力を見せ付けても良いと思いますが、ネーム工程の作画で時間を要しているようでは時間の無駄遣いともいえます。絵が雑でもキャラ同士の会話が成り立っていて、絵の代わりの注釈があれば十分に調整資料として成り立ちます。

同じ時間を使うなら、絵をしっかり書き込むことよりも、何度も読んでセリフの言い回しや配置を見直し、早く終わらせてペン入れや仕上げに時間を使ったほうがよほど良いです。

プロの先生方は、ネーム工程ではデッサン人形のような「まるばってん」のみで調整してたりするそうですからね。

 

 

ネームは手直しが前提

ネームを書き出してみて、コマの配置や物語の流れ、会話のつながりなどをチェックしていきます。

この工程では一度ノートに書き出しして、セルフチェックしたうえで自分で添削しながらデジタルで写していきます。

もちろんアナログでもいいのですが、デジタルだと配置の調整(コマや絵の拡大縮小、フキダシというかセリフの内容や大きさ)ができるのでデジタルが有利です。

 

ネームのセルフチェックでは主に下記をチェックします。

・同じ構図が続いていないか(立ち絵ばかりになっているとか、同じ方向を向いているなど)

・コマのめりはり(大きいコマ、小さいコマを使い分けて迫力を出す)

・セリフの言い回しやボリューム

 

特に私が注意しているのは、セリフのつながりとボリュームです。

文字数が多いと字(フォント)が小さくなったりして非常に読みにくい漫画になってしまいます。

特に電子書籍の配信を見込んでいる場合、閲覧する端末の半数以上がスマホですから、文字が小さいと絵がどんなにすばらしくても読みづらい漫画に仕上がってしまいます。A5版で印刷を想定しているならば12ポイント以上のフォントが好ましいと思います。

なお、漫画は文字が少ないほうが好ましいとされていますが、セリフのつながりがなく意味不明だと本末転倒なので、何度も読み直しし別の人(家族や友人、編集部)にも見てもらい添削すると良いです。

 

この後出来上がったネームは編集部のチェックを受けることになりますが、赤ペンは読者さんが読みやすくなるための大事な工程です。物語の構成上曲げてはいけないところ意外はどんどん取り入れましょう。

 

修正・添削が前提なので書き込みすぎない。ネームが雑な理由がおわかりいただけましたか?(汗)

 

添削は重要な工程と心得る

セルフチェック、編集部のチェックともに添削は大事な工程なのですが、なぜ添削が必要なのか。どう添削していいか良くわからないという人は、正直言うと漫画描きにあまり向いていないかもしれません。

 

「頑張って描いたネームに編集部から赤ペンを入れられた。悔しい!キーッ」

という感じになってしまう方は、お客さん(読者さん)の身になって考えましょう。

編集部の赤ペン作業は、主観的(漫画家サイド)から客観的(読者サイド)に引き継いだとき、より商材として見やすくするための大事な作業なのです。

 

優先しないといけないことは「絵を見てもらいたい」のではなく「読者さんが楽しめる・読みやすい」ことにあります。

 

好みは人それぞれなので、どんなに上手く描いても好き嫌いが出てしまいますが、読みにくい作品(難解というか意味不明な作品)は絵がすばらしくても、受け入れてもらえないものです。

興味を持ってくれた読者さんにストレスなく読んでもらい、さらに面白い迫力のある、綺麗で精密な絵を見てもらうというなら、きっとファンも増えてくれると思いますよ。

 

その他注意したいこと

・添削は複数の人の目でチェックしたほうが良いですが、あまりにも多いと混乱してしまうので、信頼できる人にお願いしたほうが良いです。

・編集部(出版社)によって画風や色があるので意見がわかれることもあります。

絵は簡素化されたもので十分と思いますが、編集部等との調整のさいに相手方に口頭で説明しないとわからないようでは、調整資料として成り立っていません。調整しながら書き入れて「こういう感じでどうでしょう?」と対応できるフレキシブルさと迅速さは大事です。

 

 

まあ、こういうモソもまだまだ修行中なわけですが・・・

これから印刷したネームに自分で赤ペンを入れて修正。他者にも見てもらいアドバイスから何度か見直しを経て、下書き(ネームへの加筆修正)→ペン入れに入ります。

 

というわけで漫画の描き方(ネーム)についての小話でした。

また、あわせて下記の無料漫画もどうぞ。

 

素人が漫画を描くためにマーケティングとか色々やる話

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