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漫画ができるまで ~ラッキーキャッツルアーフィッシングスクールの裏側~

(公開: 2018年09月03日)
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こんにちはモソです。

本日は「ラッキーキャッツルアーフィッシングスクールができるまで」の工程を紹介します。

漫画執筆というと、原稿用紙に下書きしてペン入れ→仕上げのイメージですが、実際の作業としては、やることがたくさんあります。

 

1.企画立案及び資料収集

「漫画を描きたい」「でもネタが浮かばない!」という漫画家志望の方と多く接します。

ネタが浮かばないという人は、前準備の段階が不足しているのだと思います。

 

ラッキーキャッツルアーフィッシングスクールは釣り漫画なので、当然ながら「釣り」の情報を集める必要があります。

また、今回はサバイバルゲームの話を描いているので、サバゲーに関する情報を集めなくてはなりません。

これらは日ごろから親しんでいる趣味なので、さほど準備に時間がかかるわけではありません。

日々ネタ集めというわけです。

 

テレビにも出る釣師中の人

 

新たな情報収集(取材)は最低限度ですが、89式小銃やボルトアクションは私も使っているエアソフトガンなので、現物を見ながら執筆できるものの、ココさんやみやさんが使っているエアソフトガンは手元にないので、写真等の収集を行いました。

 

また、現地取材は今回舞台のイメージとして、沖縄エアソフトパークさんにお邪魔しました。

写真は後ほど背景等の参考やトレース材料として活用します。

 

 

 

2.アイディア書き出し

これは企画立案と平行して行いますが、とりあえずノートに書き出します。

ノートはケチらずにジャンジャン使います。ノートが高いならば、コピー用紙でもなんでも良いです。

 

 

あまりにも時が汚いので自分で何を描いているのかわからなくなるときがありますが、精度よりもスピード優先です。

絵の練習の時間ではないので、自分が物語の流れを理解できれば十分と考えています。

 

 

3.「ネーム」の作成

漫画の設計図と言われる工程です。

設計図があるということは、前提として先述した設計図書(企画立案や資料収集)が行われているということでもあります。

(エンジニア的には、いきなり図面を引くというのはありえません)

 

私の場合、この工程からはすべてデジタルで作画し、先にセリフとコマから配置して、後ほど絵を埋めるという形で行っています。

 

 

デジタルの利点は「描いたあとに調整できる」ということにあります。

また、私の場合ネームとは、「関係者または第三者に内容を理解してもらうための調整資料」ととらえています。

 

プロの漫画家さんの中には、頭の中で考えたことを一発で書き出す方もいると思いますが、私はそれができません…。

「調整資料」なので、一度書き出したデジタルのネームは、セリフやコマの配置、大きさを変えたり、構図を変えたりします。デジタルなら構図の一部を切り取ってサイズを調整できるので便利なのです。

 

 

3-2. ネームの添削(赤ペン)

ネームがひととおり完成したあと、漫画家の座間味さんご夫婦に見てもらい、アドバイスをいただきました。

 

座間味(ざまみ) 沖縄の現役ローカル漫画家

この段階では物語でわかりにくい点や目線の流れなどの表現について助言いただきました。

(座間味さんご夫婦ありがとうございました!)

 

なお、私もネームの添削を依頼される事がありますが、絵は大雑把でもかまいません。

ただ、字が汚いのは読む側からすると理解するためにかなりのエネルギーを使うのでストレスとなります。

字が汚い私が言えることではないのですが(私だからこそ言える?)、字に自信がない人こそ、デジタルを活用したほうがよいと思います。

 

どのキャラクターがどういう会話をして、どういう物語を展開しているのか、ざっくりわかれば十分なので、不要な部分はカットしても構わないでしょうし、精密に描く必要はないです。

むしろ大雑把な絵の段階で、添削者に概ね伝わるネームはむしろ優秀ではないかと思いますし、添削する方もされる方も精神衛生上良い場合があります。

 

 

アドバイスをもとにネームを手直しして、原稿に移ります。

 

4.作画・仕上げ

ネームが出来上がったら、ある程度下書きを加筆して、早くもペン入れに入ります。

私の場合は下書きを丁寧になぞるというやり方ではないので、下書きもネームに毛が生えた程度のものです。

 

 

一般的にはペン入れ→ベタやトーンを入れるイメージですが、私の場合は気分次第で、すべてのペン入れが終わったあとにベタやトーンをやることもあれば、コマごとに完成させる場合もあります。

 

私の場合は、描きやすいコマからどんどん埋めていくスタイルです。

最後に残る描きにくいコマは苦痛ではありますが、「これが終われば物語がつながる」と言い聞かせて頑張ります。

それが嫌な人は、ページやコマの順を追ってもよいと思います。

 

なお、描きにくいコマに関して、構図や表現的に難しいと思ったら思ったら描きやすい絵に差し替えすることもあります。

わざわざ難しい構図にして悩むくらいなら、描きやすい絵にして完成させたほうが良いです。

 

また、背景などはトレースも活用します。

漫画やイラストの世界ではタブー視されていますが、私はエンジニア(製図工含む)出身なので、トレースは立派な作業だと思っています。

このあたりは臨機応変に。

 

5.原稿の点検と修正

ある程度できたら印刷して、自分でチェックを入れて手直しします。

このページでは、仲西ヘーイちゃんが被っているキャップのロゴを入れたり、射撃音を追加するなどしています。

 

可能であれば、この段階で第三者のチェックがあるとなお良いですね。

 

 

【全ては、完成させるため】

私は漫画教室を開かせてもらうさいに「描く、見せる、客観性を持たせる、改良できる、完成させる」の5か条を受講者に提示しています。

漫画執筆に関しては、それぞれ執筆者によって拘りがあるかと思いますが、拘りすぎて何も進まず完成しないようなら本末転倒です。

 

ここに書いたことは、あくまでも一例です。

とにかく完成させることと、何度も点検して手直しし、できる限りよい作品に仕上げるコツとして紹介させていただきました。

漫画を書いてみたい人は常識にとらわれずに、描きやすい方法で、完成させられる方法を見つけてほしいなと思います。

 

 

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