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【ハロウィン】気をつけたいミリコスの話

(公開: 2017年10月19日)
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こんにちは。モソです。

昨日UPした記事に反響があったので、多少加筆修正を加えた形で「ハロウィンで気をつけたいミリコスの話」を再掲載したいと思います。

沖縄、特に最大のハロウィンイベントを開催する北谷町美浜を想定して書いています。

 

【そもそもハロウィンとは】

本来は「生きる人間をあの世に連れて行こうとする死霊に対し、幽霊に仮装することで死霊の目を逃れる」宗教行事であったと記憶していますが、いつの間にか仮装にコスプレ要素が加わっています。

 

クリスマスも正月も盆も何かしら行事を楽しむ日本人ならではの進化を遂げました。アンダーグラウンドだったコスプレに関して理解の進むイベントとして良い傾向がある一方、ゴミ問題や痴漢行為、未成年飲酒などさまざまな問題を引き起こしているのもハロウィンイベントであります

 

余談ですが、沖縄地方に伝わるエイサーも、同様な進化を遂げました。

元々はお経をわかりやすくするための念仏踊りとして東北から伝わった手踊りでした。

戦後のエイサーコンテストより太鼓(大太鼓やパーランクー)を使う地域エイサーとして発達し、最近の曲や派手な演舞を取り入れた創作エイサーなどへと発展しました。

元々は死者を送り届けるときに踊られる盆踊りですが、今では披露宴などに祝い事にも踊られるようになりました。古老の中には祝いの席でエイサーを踊ることを嫌がる方もいるようですが、個人的には伝統的なものにこだわだけよりも、進化はあったほうが楽しくて良いのではと思います。

ただ、ハロウィンもエイサーも、伝統的な部分を理解することと、一定程度区別することは必要ではないかと感じます。

 

 

【ミリコス(ミリタリーコスプレ)という分野】

ラッキーキャッツルアーフィッシングスクールより

 

日本では80年代にサバイバルゲームが始まり、銃刀法改正以降パワー規制がなされたことからサバイバルゲームが爆発的に普及しました。

平行して電動ガンの特許期間が切れ、海外製の多種多様なエアソフトガンが作られるようになったり、レプリカの装備が充実して比較的誰にでもミリタリー装備を集めやすくなりました。

また、サバイバルゲームとは別にミリタリーが好きで軍装品を収集していたり、映画やゲームから入るタイプの人も多くなりました。

この装備をハロウィンイベントで皆に見せたい・・・と考えるのはごく普通のことかもしれません。

しかしながら注意しないといけない事がたくさんあるのです。

 

 

【銃刀法だけに縛られていない】

ミリコスを行ううえで銃の存在は切っても切れない存在ですね。

ハロウィンイベントやコスプレイベントに関しては、明確に「モデルガンやエアガン、模造刀を禁止」と明示しているケースがありますが、地域で自発的に開催されるハロウィンイベントなどでは、基準が明示されていないからといって何でもやっていいわけではありません。

 

 

銃刀法に抵触しないエアソフトガン(0.989j未満)や模造刀でも、銃をむき出しにして歩くと凶器扱いとなり、軽犯罪法などに抵触する可能性があるそうです。

これは銃が撃てるということではなく、打撲する武器になりうるという考えのようです。

バッテリーやマガジンを抜いて、安全キャップをしているからOKだろう・・・ということではないわけです。

ちなみに実銃(猟銃)の所持者でも人が多いところで不用意に銃を出すと罰則がありますし、発砲用件を満たした場所(射撃場のレーンや民家のない狩猟が認められた場所など)で撃つ直前まで弾を込めてはならないというルールもあります。

弾を装填しっぱなしにするだけでもかなり高い罰則がありますよ。

 

あと、残念ながらハロウィンイベント中にエアソフトガンの発砲も見られたとのことです・・・そういう残念な事件もあるので、あらぬ疑いをかけられないためにも銃の携行は避けたほうが無難かもしれません。

 

 

 

 

【階級章やネームテープ類、徽章は気をつけたい】

沖縄における最大のハロウィンイベントは北谷町美浜で開催されます。すぐ近くに米空軍、海兵隊の基地があるので本職も多く来ます。ミリコスは兵士たちにとって「理解者がいる」と喜ばれる反面、恥をかく場合があります。

迷彩服はファッションとして取り入れられていますが、本職の軍人さんから見ると国旗や階級章類については厳しい目線があります。彼らにとって階級章や徽章類は、苦労して手に入れた勲章であり、ミリタリーショップで買えるものではありませんからね・・・。

国旗についても同様、どの装備よりも大切にされています。雑な扱いをすると怒られます。

ちなみに米軍用迷彩服は払い下げ品として普通に販売されていますが、ネームテープについては注意を受けるようで、理由はやはりセキュリティーの問題などあるようです。

 

ちなみに私はパッチ屋をしており、自衛隊のパッチを多く受注していますが、部隊側から是非という事がない限り一般への販売をしていません。売れることもわかっていますが、過酷な訓練の末に得た地位を示すものですから、それを流通させることは気がひけます。

 

あと、本職さんの前で徽章(空挺やレンジャー徽章)を着けて、すごくはずかしかった・・・なんて話はよくあるみたいです。

私の友人もアメリカの本職さんに「これちがう」と指摘されてました(笑)

サバゲーフィールドではなりきる事が楽しみなので、そんな気にすることじゃないですが、オープンな場所だとすごく恥ずかしいみたいですよ。

 

 

【そもそも、法律等に抵触する可能性も】

そもそも日米地位協定で米軍基地付近での米軍コスが禁じられていたり、警察や自衛官のコスプレはそれ自体が法律違反になったりします。

たとえば詐欺やスリなどを行う犯罪者が警察のコスプレをしていたら、一般の人には警察官にしか見えませんよね。そのような犯罪を防ぐための法律です。

この国の軍隊の装備をしたいというのはあるでしょうし、サバゲー用として流通しているのは悪用されない場所で使うという前提があってのことです。後に示す「クローズドイベント」で楽しみましょう。

ちなみに、ミニスカポリス(例えが古いか・・・)のように「警察風だけど明らかに警察ではありえない」服装ならさほど問題ないかもしれませんが、近年サバゲーで流行している「ご当地警察」は、装備がかなりリアルで勘違いされる可能性があるのでフィールドやWEB上のみで楽しんでいただくのが良いと思います。

この手のパッチ類は製作依頼を受けたさいは、フィールドやクローズドイベントのみに限定して使用するようにお願いしています。

 

 

【嫌がられる装備がある】

美浜ハロウィンイベントに参加する方は国籍もさまざまです。美浜ハロウィンイベントに参加する米国の方は仮装としてのコスプレにわりと慣用ですが、ナチスドイツなど特定の服装や装備に拒否反応を示す場合があるという話を耳にしました。

また、現在テロとの戦いが行われていますから、イスラム圏の装備に自爆用の模型を装備するなどは配慮にかけていると言えますね。実際に戦闘に参加されていたり、友達や家族を失った人もハロウィンに参加しているかもしれませんし、そういう人が見たら「ギャグです」では済まされません。

 

→関連記事【悲報】嘉手納基地前で○○のコスプレが現れる…

 

また、沖縄においては激しい地上戦を経験している場所でもあり、ミリタリーやサバゲーに対して風当たりが強い地域でもあります。他の地域でも十分な理解を得ているというジャンルではないです。

徐々に理解は進んでいる趣味である以上、無用なトラブルを起こすのだけは避けたいですね。

 

なお、Vショーのようなミリタリーの色々な人が集まるイベントでは、「こういう趣味の人がいる」と理解している人がほとんどだと思いますので、主催者特に問題はないと思いますが、同じミリタリーイベントでも「爆裂祭」のように、ヒストリカルのコスプレを禁止しているイベントもあります(他のミリタリー物販イベントとの区別、サバイバルゲーム専門イベントの色付けをするため)。

 

【オープンイベントという特性】

各種制限があるミリコスが一定程度許容されているのは、外部から隔離されたクローズドイベントで行われているからです。

クローズドイベントとは、建物やエリアが明確に区切られているイベントのことです。コミケやバーなどでのイベント、サバイバルゲームフィールドでのサバゲーがあてはまります。

沖縄国際コスプレ祭(オープンイベント)

こちらは武器がNG。

 

サバゲーフィールドで行われた「武器コス祭り」

安全管理のうえ基準内のエアソフトガン等の持込可

 

クローズドイベントでもルールがあり、サバゲーならサバゲーのルールが、コスプレイベントでもそれぞれルールがあります。たとえば沖縄で開催されている「おでかけライブ」ではエアソフトガンやモデルガンはNG。発泡スチロールなどのやわらかい素材でできた1mまでの長物というルールがあります。

最近はサバゲーマーがおでかけライブに参加することがあり、ルールをよく読まずにエアソフトガンなどを持ち込むケースがあります。一般レイヤーさんから「ルールを守ってほしい」という声もあがっていますよ。

 

おでかけライブ用に作った発泡スチロール製ライフル(950mm)

 

サバイバルゲームは被弾を自己申告する紳士のスポーツですが、「俺かっこいいでしょ」でルール無視したら成り立たないですよね。

美浜を含む外部のハロウィンイベントはオープンイベントであり、ルールがあいまいになっている部分があったとしても、明確ではない分注意しないといけないポイントが多いのです。

 

 

【たとえば軍装ゾンビはいかが?】

ミリコスとは「いかにカッコよく見られるか」は重要です。私もミリオタですので気持ちはすごくわかります。

しかしながら場所を選ぶのです。「俺カッコイイ」でもトラブルを招けばダサいですよね・・・。

たとえばですが、どうしても軍装品を見てもらいたいという人は、血のりなどでメイクして「ゾンビと戦ったが返り討ちにあってしまい、ゾンビ化した兵士」をやってみてはいかがでしょう。

それなら本来のハロウィンイベントに即したクオリティーの高いコスプレになると思います。

サバゲーではゾンビ行為(ヒット申告しない)はダメですが・・・(笑)

 

 

ゾンビは銃を使わず「ひっかく」「かみつく」など初歩的な攻撃をするでしょうから、銃は不要になりますからね。

クオリティ高い仮装ができると思いますが、いかがでしょう?

 

 

ちなみに管理人モソはベースが狙撃手用の擬装服(ギリースーツ)ですが、目玉がついているのでモンスター扱いらしいです。

こういう工夫で「ミリコスゾンビ」「モンスター」となり町に繰り出したら人気物になれそうです。

っていうかなります。

 

では、ハッピーハロウィン~♪

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